Nyakki! 2.0

LinuxやFirefoxなどのPC系やゲーム、動物など個人的に気になったことや面白そうなことを書いていきます。

(Splatoon2)ガチアサリの内部コードについて、延長線やアサリ発生場所など

AdBlock が有効になっている可能性があります。
任意ですが、無効にしていただけると管理人が喜びます。

ガチアサリはVer 2.1.0のアップデートでSplatoon2に追加された新しいガチルールです。今までのガチルールよりもとても複雑で、初心者にはルールが分かっていない方も多いです(必須のチュートリアルがないので仕方ないですが)。発売から1年半たった今でも、このガチルールについて詳細に知っている人は少ないでしょう。例えば、アサリの発生がどのように起きるのか、またゲームがどうして延長戦を始めるのかについては説明されておらず、すぐには理解できません。この記事では、ガチアサリを取り巻く多くの謎を明らかにしたいと思います。

注意:この記事では、内部データで使われている「フレーム」という単位を使って時間を測定します(Splatoon2は60フレーム/秒で実行されているので、各フレームは16.6ミリ秒です)。便宜上、分や秒といった「人間の単位」も併記します。

oatmealdome.me

基本ルール

ガチアサリの初心者のために、基本ルールを簡単に説明します。

  • アサリはステージ全体の様々な場所に発生する。
  • ガチアサリを作るには、10個のアサリを集める必要がある。
  • 相手チームのゴールにガチアサリを投げ入れると、ゴールのバリアが壊れる。
  • バリアが壊れている間、持っている個々のアサリをゴールに入れればアサリ1個あたり+3点を獲得できる。ガチアサリなら+20点になる。
  • ゴールにアサリが入れられていない時間が長いと、バリアが復活し、相手チームにガチアサリが与えられる。
  • 最も得点の多いチームが勝利。

アサリ

この項では、アサリ自体について知っておくべき情報を詳しく説明します。

発生

この記事を書く前に、私はTwitterでガチアサリについて一番知りたいことは何かと聞きました。おそらく最も多かった質問は、アサリの発生がどのように起こるのか、またゲーム内部でアサリの発生場所をどのように決定しているのかに関するものでした。自分の能力の及ぶ範囲でこれを説明したいと思います。時々、技術的でつまらなくなりますが、あまり退屈にならない事を望みます。

アサリの発生システムは、Obj_VictoryClamBankEmitAreaObj_VictoryClamSpawnPointという2つのオブジェクト、またClam Blitz Directorという3つのコンポーネントで構成されています(Victoryはガチマッチの内部コード名です)。

EMIT AREA(放出エリア)

このオブジェクトの内部名は少し違和感がありますね。この内部名は、ガチアサリのゲームルールが今とは違っていた時から来たようです(後で詳しく説明します)。放出エリアオブジェクトは、試合の開始時にアサリが発生する場所を制御します。各ステージに複数の放出エリアオブジェクトが配置できます。それぞれの発生場所には「weight」があり、そのエリア内に発生するアサリの数を調節しています。ゲームが始まると30個のアサリが放出エリア内に配置され、weightの高いエリアにはより多くのアサリが配置されます。

各ステージの放出エリアとそれぞれのweightを以下の図に示しました。(放出エリアではステージデザイナーは全てではないにしてもweight値を最大合計30に設定しています。)

SPAWN POINT(発生場所)

このオブジェクトは、皆さんのご想像どおりアサリが定期的に発生する場所を制御しています。各ステージ全体にこのオブジェクトのインスタンスが多数配置され、アサリが発生する複数の場所を作っています。

しかし、この発生場所は1つのチーム側にだけ配置されています。「じゃあ、どうやってもう片方のチームにアサリを発生させるの?」と思うでしょう。 自動的にオブジェクトを鏡のように反対側にうつす専用のコードがあります。アルファチームオブジェクトが読み込まれると、対応するブラボーチームオブジェクトがステージの反対側に配置されます。 後で使用するために、オブジェクト間に内部リンクが作られるので、アルファの場所からブラボーの発生場所にアクセスでき、またその逆も可能です。このことは、後で知っておくことが重要になります。

(注:つまり、両チームのそれぞれアサリ発生場所には、不公平はなく、鏡のように同一である。)

この自動生成は無効にでき、いくつかのステージで発生場所を中央に配置するために「自動生成の無効化」が使われています。中央にあるアサリの発生場所に対して自動生成が有効であると、倍(8個)のアサリが短時間で発生してしまいます。

次の図は、各ステージの発生場所の位置を示しています。(同じ色のまるは、鏡のように同一である場所)

THE DIRECTOR(ディレクター)

ガチアサリの多くのルールと仕組みを扱う内部では「Director」と呼ばれるコードがあります(この名前を聞いてLeft 4 Deadを思い出す方もいるでしょう)。Directorはフレームごとに実行されます。そして、実行されるたびに、アサリを発生させる必要があるかを確認します。

まず、プレイヤーが持っているアサリとステージに落ちている全てのアサリの合計を計算します。ガチアサリはこの計算には含まれていません。合計が50以上であれば、Directorはアサリを発生させません。

次に、Directorはアサリの「高速発生」モードを使用するかどうかを判断します。ここでは、2つの条件が判断基準となります(2つのうちどちらか1つが満たされれば高速発生が有効になります)。

  • 計算されたアサリの合計数は25未満か?
  • 試合は延長戦で、得点は同じか?

そして、Directorはアサリを発生させる前にどのくらいの時間待つべきかを計算します。高速発生モードが有効の場合、240フレーム(4秒)で、それ以外の場合は、720フレーム(12秒)です。この値をステージごとに決められた数(これはすべてのステージで1に設定されているため事実上Directorの標準値が常に使用されています、しかし任天堂は今後のためステージごとにアサリ発生までの時間を調整できるようにしています)で割って、最終的な待ち時間を作ります。Directorは計算された時間が経過するまで、アサリを発生させません。

最後に、Directorは発生するアサリの数を決めます。50から現在のアサリの数を引いて、その数を最大4までに制限します。つまり、Directorが実行されるごとに1〜4個のアサリが発生できるということです。それから、計算された待ち時間を待った後にアサリが発生するようにスケジュールを設定します。

これらの処理は、Directorが実行されるたびに繰り返されます。

発生場所の選び方

https://pfuzzq.bn.files.1drv.com/y4mOleMbiuRUIjYNkhcrOXsf7lXCl_MFLrBW3Fh9qNenwjKgU_uoqcM12Fcr4BPklotxCBSzkauEgJv6WfUs8ul34C1vm26YYD7zepMLsPvjmgUJE_RFwR0nZNjKmtJsZa5ZeiNbKuixSiQZd7NBLn7t99ejsF_AgqnDdqeoU-bOttmISHKD-Wxb26Z9DY2nfxAOmEaCSLqICo2hIIgLKILug?width=768&height=432&cropmode=none

残念ながら、発生場所を選ぶのに使われるコードは複雑で、この記事に間に合うようにすべてを分析できませんでした。私はその最も重要な側面を詳しく説明できますが、間違っていたり、他の(分析できていない)プログラムの影響によって違う動作をしている可能性もあります。

Directorは、読み込まれた順にアサリ発生場所オブジェクトを調べます。どちらが点をリードしているかは関係なく、どちらかに有利という訳ではないようです。それぞれの発生場所にアサリを発生させるかさせないかは乱数生成器によって決められます。乱数生成器の結果の数が特定の条件を満たす場合に(この記事では技術的に結果を予測するのは不可能)、この発生場所が候補として選ばれます。

次に何が起こるのかを理解するために、まず今まで話していなかった「spawn point(発生場所)」のことを話す必要があります。それぞれ発生場所は「occupied(使用)」されているか、つまり発生場所にプレイヤーがいるか、また回収されていないアサリがあるかを判断します。

その後、Directorは現在の発生場所の「occupation status(使用状態)」を確認します。発生場所が使用されている場合、アサリは発生せずにプログラムは初めに戻され、別の発生場所オブジェクトの確認が始まります。発生場所が使用されていなければ、その場所が選ばれ、次のフレームでそのエリアにアサリが発生します

そうです、これはつまりアサリ発生場所を一時的に無効にできることを意味します。例えば、アサリ発生場所にアサリを投げ入れれば、そこに新しいアサリは発生しなくなります。しかし、次の項で説明する消滅メカニズムが、この戦略をほぼ役に立たないようにさせます。あなたがただ発生場所の上に居続ければ、アサリの発生を無効化できるでしょうが、代わりにチームに貢献ができなくなります。最良の戦略としては、発生したアサリを1つだけそこに残しておくことです(次の項を参照)、それならDirectorにエリアが使われていると思わせることが出来ます。どちらにしても、話が脱線してしまいました。

発生場所は自動的に対応するオブジェクトをマップの反対側に生成できることを覚えていますか?これが役に立ちます。アサリを発生させるためのスケジュール設定を終えた後、その発生場所に自動的に生成された反対側の発生場所がリンクされている場合、Directorは後で使えるようにとメモリにそれを保存しておきます。 次の時にアサリの発生を行なうタイミングになると、Directorはリンクされた発生場所にアサリを発生させようとします。しかし、発生場所が「使用状態」である場合、このアサリは破棄され、Directorは読み込まれた他の発生場所の確認に戻ります。これによって、アサリの一部が事実上「鏡のような」動作をします。

(注:つまり、反対側が使用状態の時はもう反対側にはアサリが発生しない)

消滅

プレイヤーはいろいろな方法でアサリを落とせます。例えば、A(またはL)を押して地面に投げたり、またデスや接続切れの時にもアサリは落とされます。

プレイヤーがデスをしても、全てのアサリが落ちるわけではありません。アサリが落ちる数は、その人が持っていた数によって変わります。

持っていたアサリ 落ちるアサリ
0 0
1 1
2〜3 2
4〜6 3
7〜10 4

一度アサリが落ちると毎フレームごとに、落ちてからの時間を確認し続けます。240フレーム(4秒)が経つと、アサリが点滅し始め、プレイヤーにアサリが消えることを知らせます。600フレーム(10秒)で、アサリは消えます。ガチアサリでも、同じです。ただし、Directorが配置したアサリは消えません。

アサリのゴール

https://q1uzzq.bn.files.1drv.com/y4myTSbFX78OWtR0Z3AB5NP8mP_YUk3l0ctSR1YtkOmEYbdfn0ct9t_RSdxRoEordr_6lLUJSya6gobq4kDbHmEj63uHvX7y2IKXps3cp43mMF7hFFkd9vZxnQLdKk5GNpUJ-eaoMQrght4a7tIS4mbCeB3afnt_qW8wTUPdILICR1Qn9p9zvc9j8ftER10VQpjsoNkdMDcIPKu5UYfBYTkQg?width=768&height=432&cropmode=none

ゴールについては話すことなんて少ないだろうと思う人も多いでしょうが、それでもゴールはいくつかの注目すべき特徴を持っていて話す価値は十分にあります!

最初にゴールのバリアを壊すと、600フレーム(10秒)でバリアが復活するように設定されています。ゴールにアサリを1つ入れるごとに、このタイマーは180フレーム(3秒)延長します。ガチアサリなら、600フレーム延長します。しかし、タイマーの最大値は600フレームです。

ゴールのバリアが復活すると、バリアを再び壊せるようになるまで600フレームかかります。この間、ゴールは「closed(閉じた)」状態になり、ガチアサリを入れることはできません。一方、反対側のチームのゴールバリアはすぐに壊せるようになります。

前記した"アサリの発生までの時間"の項で"発生時間をステージごとに変えるための数"を紹介しましたが、これはゴールオブジェクトによって設定されていて、ちょっと不思議に思えます。私の推測では、すべてのステージにゴールオブジェクトがあるため、使う上で楽だったのでしょう。

HP(体力)

面白いことにゴールのバリアにはHP(体力)があります。バリアを壊すには1000HPのダメージが必要です。ガチアサリがバリアに当たると、1フレームあたり最大約10のダメージを与えます(したがってバリアが壊れるまでに約1〜2秒かかります)。残念ながら、私はフレーム当たりの正確なダメージ量は見つけられませんでした。

アサリを空中に投げると、武器からでるインクのような弾丸に変わります。これによって、空中を飛ぶ方法やガチアサリが床に当たった時の動作などを、簡単に指定できるようになります。しかし、アサリによってプレイヤーにダメージを与えないようにコードが書かれています。これが、ガチアサリがバリアに与える正確なダメージ量を私が見つけられなかった理由です。

本当は、対物攻撃力アップギアを装備したプレイヤーがガチアサリを投げた時にダメージを増やすパラメータをゴールバリアが持っています。残念ながら、このパラメータを変更しても何も起こりませんでした(ホコバリアは対物攻撃力アップの影響を受けるので、パラメータの変更もうまくいきました)。ガチアサリはバリアに「普通でない」方法でダメージを与えていると考えられるため、対物攻撃力アップのパラメータがダメージの計算で考慮されないのでしょう。これが正しく動作すれば、対物攻撃力アップの靴ギアを装備したプレイヤーは1ダメージ当たり10%ダメージ量が増えるガチアサリを投げることができ、ゴールのバリアを早く壊すことができます。

私はVer3.1.0で対物攻撃力アップを装備した場合と装備しなかった場合で、それぞれゴールのバリアを壊す簡単な分析を行ないましたが、大きな違いは見られませんでした。誰か、最新版で試してみて結果をTwitterで私に教えてくれたら、とても嬉しいです。( @OatmealDome )

延長戦

Twitterで多かったもう一つの質問はガチアサリの延長戦についてでした。これは、かなり分かりづらく、任天堂は何も説明していません。私が把握できたことを説明します。

次のいずれかの条件が満たされると、Directorは延長戦を開始します:

  • 負けているチームがガチアサリを持っている
  • 勝っているチームのゴールのバリアが壊れている

次のいずれかの条件が満たされると、延長戦は終了します:

  • 負けているチームが1200フレーム(20秒)以内に相手チームのゴールバリアを壊すことができない
  • 負けているチームのガチアサリが消滅する
  • 勝っているチームのゴールバリアが復活し、負けているチームが得点をリードできなかった
  • 負けているチームが得点をリードする
  • 勝っているチームが得点を入れる

注:負けているチームがガチアサリを持っているために、延長戦が始まった場合は、相手ゴールのバリアを1200フレーム以内に壊す必要があります。ガチアサリがバリアに当たったとしても、壊れているとは見なされません!負けているチームが時間どおりにバリアを壊せれば、延長戦はバリアが復活するまで、または負けているチームがリードするまで続きます。

ガチアサリには特別な種類の延長戦があります。どちらのチームも試合中に得点をすることができなかった場合、10800フレーム(3分)の延長戦が開始され、初めに得点を得たチームが勝利となります。その間に誰も得点ができなければ、ゲームは終了します。ここでは、一般的に考えられるような、勝者をランダムに選ぶ、ということはしません。試合中に最もたくさんガチアサリを作ったチームが勝利します。両方のチームのガチアサリを作った数が同点だった場合は、アルファチームが勝ちます。

ベータコンテンツ

ゲームのコードやファイルを調べているうちに、たまたまガチアサリで未使用のコンテンツを発見しました。分からない方に説明しますと、任天堂はVer.1.0.0にベータ、テスト、デバッグ用のコンテンツを誤って大量に入れてしまいました。これは、Ver.3.2.0のアップデートまで続きました。その後、任天堂はファイルの内容に注意を払うようになり、不要なものは全て削除されるようになりました。にもかかわらず、まだ時々失敗して、テスト中のものが混入していることがあります。この記事のために、私はVer.3.1.0を調べました(しかし、同時にVer.4.8.0のファイルも調べ、そこでも確認しました)

このベータコンテンツを見つけた後、いくつかの古いバージョンも調べて、その中に古いガチアサリのテストステージを見つけました。このテストステージ内のオブジェクトを調べることで、このステージが使用されていた時にガチアサリがどのようであったかを知ることができます。これらのファイルには、ガチアサリの3つの異なる「バージョン」があります。

「全部を集める」時代

Ver.1.2.0では、ガチアサリのプロトタイプ版をプレイするのに必要な全てのコードとファイルが追加され、いくつかのオブジェクトとDirectorの基本バージョンが含まれていました。

↓クリックで動画再生

基本ルール
  • アサリはObj_VictoryClamAreaというオブジェクトによって定義された位置に隠されています。各エリアオブジェクトに隠されているアサリの数は変更可能です。
  • アサリを見るためには、その場所をインクで塗る必要があります。
  • アサリは触ることによって集めることができます。拾うために、アサリが見えている必要はありません。各アサリは+1得点です。
  • アサリが集められると、エリアオブジェクト内にまたアサリが追加されます。
  • アサリは隠れているかどうかにかかわらず、30秒後に消滅します。
  • 100個のアサリを獲得した最初のチームが勝利です。
  • 試合終了時に得点が同点の場合、延長戦が開始されます。チームが1つのアサリを集めることができれば、ゲーム終了です。
コンテナ
  • 試合の最初の1200フレーム(20秒)の後、コンテナがランダムな場所に空から落とされます。
  • コンテナに87.5ダメージを与えられるごとに、1つのアサリが放出されます。
  • 1750ダメージ(20個のアサリが放出された)後、コンテナは壊れ、15個のアサリが放出されます。
  • ステージ全体には、一度に1つのコンテナしか配置できません。
  • コンテナが壊れると、別のコンテナが600フレーム(10秒)後に発生します。
  • コンテナの場所は、負けているチーム側に優先的に発生します。(つまり、コンテナはスタート地点付近に発生するようになる)
レビュー

見て分かるとおり、このルールは2.1.0のアップデートのものとは大きく異なっています。「アサリを集める」という超基本的な部分は同じですが、得点を得る方法は全く違うし、コンテナのようないくつかの仕組みは最終的には削除されています。

Ver.1.2.0のゲームルールはプロトタイプの段階にあり、モデルはまだ作られていません。アサリはタコツボキャニオンとサーモンランのいくらをモデルとして使用し、コンテナモデルはサーモンランの「ハコビヤ」という特殊イベントから使われています。

「銀行」時代

ガチアサリは1.2.0の「全部を集める」時代から、また新しく見直しが行われました。任天堂はガチアサリの多数の挙動を変え、それに合わせていくつかの新しいオブジェクトも導入しました。

↓クリックで動画再生

基本ルール
  • Obj_VictoryClamBankというオブジェクトがマップの中央に配置されます。さらに、さまざまなObj_VictoryClamBankLandPosObj_VictoryClamBankEmitAreaがマップ全体に被さるように置いてあります。
  • 銀行は空に舞い上がり、着地位置オブジェクトの場所に着地します。
  • 銀行が空中にいる時、まるでマリオカート8DXにあるN64レインボーロードの列車のように、アサリは銀行から放出されます。アサリは今の着地位置とリンクされた放出エリアに配置されます(ここで放出エリアオブジェクトの名前の由来が分かる!)
  • プレイヤーが銀行に触ると、持っているアサリが銀行に預けられ、チームの得点になります。
  • チームの合計得点が現在の着地位置で指定された数を越えると、銀行は舞い上がり別の着地位置に移動します。
  • これを試合終了まで、もしくはチームがKOされるまで繰り返します。
着地位置

Directorは以前、このルールでの"着地位置"を制御するコードを持っていたのでしょうが、残念なことにガチアサリの正式ルールが決まってから削除されています。Ver.1.2.0とVer1.4.2の間でゲームルールは変更されておらず、Ver.2.0.0の更新でガチアサリの完成バージョンができているので、私は「銀行」時代から後のコードを持っていません。その代わり、ゲーム内で独自のC++コードを実行できるStarlightを使ってオブジェクトの動作を部分的に復元しました。

着地位置を制御するコードはもう存在せず、オブジェクトは完成版のガチアサリ用のものが大部分であったため、代わりに残されたテストマップとコードを使ってこれらがどのように動いていたかを仮定する必要がありました。そのため、任天堂内部で使われていたものと100%一致はできません。

ガチアサリの銀行バージョンで使える2つのテストマップには、着地位置オブジェクトが3つしかありません。1つは中央、もう1つは中央よりブラボーチームに少し近く、最後の1つはブラボーチームのスタート地点付近です。これらは互いにリンクで結ばれています。たとえば、中央からはブラボーチーム付近のものにリンクされ、このリンクはアルファチームが優勢の時に使われます。つまり、銀行は負けているチームの拠点に近づくということです。

しかし、これでは中央に1つ、ブラボーチームの近くに2つのオブジェクトしかありません。もし、ブラボーチームが優勢だったら、どうなるのでしょうか。私が推測するには、おそらく最終バージョンでは「発生場所」と同じ様に、ステージの反対側に自動的にコピーされていたのだと思います。私の動画では、手動で着地位置を複製しました。

ゲーム開始時に、中央の着地位置を決めます。それぞれの着地位置オブジェクトにも「この得点を越えたら移動する」値が割り当てられているので、今の位置にはこの数を越えた時にのみ新しい位置を割り当てます。これが、正しい動作かは分かりません。

最後に、1桁の数字を含むMagScoreWinTeamというパラメータもありますが、これは何をするのか分かりません。Magは「magnitude(大きさ)/magnify(拡大)」か、Msg(message)のスペルミスかもしれません。 このパラメータは、あるパターンがあって、中央のオブジェクトは1に、最も遠い位置には4に、その中間は2に設定されています(このパターンはビットフィールドに似ているが、詳しくは分からない)。

レビュー

このゲームはまだ完成状態ではありませんが、前のバージョンと比べれば、ガチアサリの最終バージョンにより近づいています。例えば、ある対象物にアサリを入れる、というルールが既に存在しています。ただ、ゴールの移動やアサリの放出といったいくつかの機能は最終的に削除されています。

面白いことに、このゲームはゴールのアーカイブファイルを調べると、銀行のモデルが見つかるのですが、もう見ることはできないようです。銀行のモデルはClamBoxFry(おそらくFlyのミスで「L」と「R」が混同したのだろう)と名付けられています。アサリのゴールのモデルはClamBoxNetです。また、着地位置も同じアーカイブファイルにあるはずですが、名前は指定されていません(私は、存在しないモデルを置き換えるため、銀行と着地位置の両方にアサリのゴールモデルを使用しました)。

「ゴール」時代

最後に「Basket(ゴール)」時代です。このオブジェクトやルールは基本的に完成版と同じなので、説明することはあまりありません。このコードとオブジェクトは2.0.0のアップデートで追加され、2.1.0で完成版になりました。

2.0.0と2.1.0のガチアサリにはいくつかの変更点があります。

  • デスで、全てのアサリが落ちる。
  • ガチアサリを投げると、着地した時に近くにいたプレイヤーに最大60HPのダメージを与える。
  • 放出エリア内で発生するアサリは「ランダム性が少ない」(完成バージョンではRNGを使ってアサリの発生場所を決めているが、2.0.0では違うようだ)
  • ネットが切断されたプレイヤーからアサリが落ちない。

その他の質問

ここでは、他の項で答えてこなかったいくつかの質問に答えます。

両チームのゴールに同時にガチアサリが投げ入れられたら、どうなりますか?(bluekinJ, ComputerBot2016)

ネットワーク遅延のため、2つのゴールのバリアを同時に壊すことは、実際の試合では事実上不可能です。1つのイベントが他のイベントよりも先にホストに到着するため、常に1つのゴール(のバリアが壊れること)が優先されます。ただし、ネットワークの問題を無視すれば、ゲーム内部ではオブジェクトは読み込まれた順序で処理をするので、最初に読み込まれたゴール、もしくはガチアサリが優先されるでしょう。

スペシャルゲージの増加をどちらのチームに行なうのかはどのように決まっていますか?(質問者:Lean)

分からない方のために説明すると、ガチマッチでは、1つのチーム全体のスペシャルゲージが自動的に増えます。ガチアサリでは、どのチームに増やすかを決めるためのルールがあります。

まず、一方のチームにガチアサリがあって他のチームになければ、ガチアサリがあるチームのスペシャルゲージが自動的に増やされます。違うなら、両チームの現在の得点を比較して、同点の場合は、スペシャルゲージはどちらも貯まりません。同点でなければ、負けているチームが貯まるようになります。

  • 自チームにガチアサリがあって、相手チームにない→自チームに貯まる
  • 相手チームにガチアサリがあって、自チームにない→相手チームに貯まる
  • ↑のいずれにも当てはまらない時。
    • 自チームが負けている→自チームに貯まる
    • 相手チームが負けている→相手チームに貯まる
    • 同点→どこにも貯まらない。

…他の機能に比べれば、単純でしたね!

たまに、変な場所にアサリが発生するのは何でですか?(Paladinknightprime)

正直なところ、全ての発生場所の図を作成した今では、「変な」場所に発生することはないはずです。これらはみな(少なくとも私にとって)適切な位置に配置されています。私が面白いと思った一つは、おそらくサイズの違いのために、他と比べて多くの発生場所を持っているステージがあることです。例えば、バッテラストリートには合計で24の発生場所があります。

アサリをゴールに入れてから、延長されるまでの時間差を知りたいです。たぶん最後の瞬間だったからか、アサリを入れても延長できなかった事がありました。(OtoNoKizunami)

本当なら、すぐに延長されます。しかし実際には、ネットワークのラグによって、ゴールにアサリを入れても、ゴールが閉じるまでにアサリを入れたことが伝わらないことがあります。

まとめ

ガチアサリは、おそらくSplatoon2で私のお気に入りのルールです。私や他の人達が前々から疑問に思っていたいくつかのことを明確にすることができて嬉しいです。ゲームを解析することは、難しくまた退屈なこともありましたが、ガチアサリを遊ぶ皆さんに共有できたこの知識が役に立つことを願っています。


【PR】ホームページ作成サービス「グーペ」